『ウィーン四季暦』

　マスコミ露出度も高い著者のウィーン随筆で、自身の若かりし留学時代の思い出から独文学者としての博識を駆使しての文学や歴史、あるいは音楽・演劇の話題等が全編ちりばめられている。四季暦にしては夏を除きあまり季節を感じないものが多いが、これはウィーンの特徴でもあるのだろう。

　シュニッツラーの『輪舞』を紹介したものなどもあり、全編しゃれた大人の読み物としてのエッセイ集となっており、興味深い。他の四季暦集と同様イラストが満載であるのだが、この本のイラストについてはかなり大胆な筆致で、どうしても好きになれない人もいるだろう。かくいう私もその一人であり、殴り書きのようなタッチにはちょっと違和感を感じてしまった。できれば、もう少し繊細なタッチで描いてもらえるイラストレーターを採用してほしかった。（04.01.31）

『ウィーンを読もう！』
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『オーストリア・ウィーン』
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最終更新日08/10/10
初掲載告知日04/01/31