『図説|ウィーン世紀末散歩』

　ウィーン市内に残された建物や遺産を訪ねて十九世紀末を散策する写真紀行である。表紙になっているオットー・ヴァグナーのカールスプラッツ駅などユーゲントシュティール様式のものばかりではなく、国立オペラ座やブルク劇場などリンク様式といわれる擬古調建造物群も紹介されている。

　著者はパリを拠点に数数の写真集を発表しており、ウィーン関連も多い。写真がメインであり、文章の内容に取り立てて新しいものはないが、「あとがき」にあるように「十四年間にわたって折々に取材したものを基本に、私なら「ウィーンの世紀末」をこのように散歩してみたいとプランを立て、実際に昨年十一月にこのルートを歩きながら構成したもの」だそうで、臨場感のあるルポになっている。この一冊を携えて同じルートで回ってみても面白いかもしれない。（2004.2.20）　

『ウィーンを読もう！』
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『オーストリア・ウィーン』
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最終更新日08/10/10
初掲載告知日04/02/22