イギリス・ロンドン

日本で英国を楽しもう！

六本木ヒルズ森タワー外観

　六本木ヒルズの中心地、森タワーの５０階にある「森都市未来研究所」で開催されている『スチームボーイ　19世紀ロンドン展』を観た。１９世紀末のイギリスを舞台にした公開中の同名映画（大友克洋監督作品）の関連イベントである。展望台や森美術館を見てきた人は入場料が割引になるというのでラッキーだった。

　さほど広くない会場に入るとすぐに、ロンドンシティ空港（一度だけ利用したことがある）のあるドックヤード付近から、ロンドン中心部までをテームズ川に沿って俯瞰できる大きな連続航空写真が最初に展示されていた。私は写真を東から西へと移動しながらじっと見入ってしまった。シティ空港へ向うのに日曜だったため予定していた電車の乗り継ぎが出来ず、タクシーを捜して走り回ったこと、ドックランドライトレールから垣間見た高層の集合住宅の光景（非富裕層が住む）、トラファルガー広場のうだるような暑さ、ホテルのエアコンの涼しさ（スイスには当時エアコンの効いたホテルなどほとんどなかった）そんな想い出が懐かしく蘇った。

リーフレット

　次の部屋に入ると、美しい風景画が多数壁面に展示されていた。この展示の監修者でもある美術監督の木村真二氏が、この映画のためにイギリスにロケハンした成果がイメージボード（５３枚）やストーリーボード（８２枚、実際のシナリオに即して描かれている）に結実したものである。この背景画展示がメインの展示物と言える。今は亡きロンドン万博の「水晶宮」、ウェストミンスター宮とビッグベン、タワーブリッジ等の名所も細密に描かれていた。

　その部屋の展示は他に、時代背景の解説や蒸気機関を使ったおもちゃ（動態展示ではない、動いているビデオを流していた）、映画製作の舞台裏（やはりＣＧが多用されている）等があった。１９世紀のイギリスは産業革命による大変動で社会の構造自体が根底から変革される時代だったが、当時の新発明「蒸気機関」を使用したメカニックが映画では多く登場するようである。

　奥の部屋にはオリジナル特別編集版のダイジェスト映像もハイビジョン版で上映され、抑えた色調で描かれたイメージボードそのままが映画の背景として登場しており、映画の方も是非観てみたいと思ったのだった。（2004.8.7、9.13加筆）

写真撮影：モリアーチー

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『イギリス・ロンドン』
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最終更新日08/01/14
初掲載告知日04/08/07